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プルクワ
2006.08.16



昨日はササミを食べた猫です。
こんにちは。


そういったわけで、わたしは2001年9月11日の夜から再び家猫になった。新居は2LDKで広く快適であった。ただ一室だけ入る事が許されない部屋があった。開かずの間である。そこにはひとりの男が住んでいた。板尾創路似の青年だった。猫には馴れてる様子だったが部屋には入れない。無口で表情の乏しい男だった。同居しているのに入室を許さないという姿勢を、わたしは心の底で腹立たしく思っていた。いつか痛い目にあわせなくてはなるまい。虎視眈々とそう思わせる青年であった。(猫視眈々などとは絶対に書かない)

それはともかく新しい生活が始まった。

拉致したのは男女のカップル(あっちちーず)であったが、その家には一方の女は住んでおらず、男の二人暮らしであった。板尾が新キャラであり、もう一人が拉致の主犯格であり、あっちちーずの男側であった。名前はS。細長い男で良くしゃべる。おそらく発情期だ。

家具の少ない家で、それ故に登ることができる箇所が少ないことが少々不満ではあったが、駆け回れる、隠れられる、見晴らしも良い、というわけで畢竟気に入った。気に入ったと言え慣れるまでは落ち着かない。落ち着くまではベッドの下でひねもす過ごした。家の中は雨が降らないから助かる。

トイレ、爪研ぎ、おもちゃと、わたしのための設備が数日の間に取り揃えられる。無闇に抱いてこない同居人たちの姿勢も良し。ホスピタリティの高い環境であった。虫も鼠も現れなかったのでアミューズメントには多少欠けるものがあったが贅沢は言えまい。言っても叶うまい。

そして、わたしには新しい名前がつけられた。プルクワ。

では「ポンちゃん」は何だったのか。それは後で知ったが拉致をするために仮に付けられた呼称であったらしい。まさに仮名だ。拉致用の名前がポンちゃんというのはセンスがあるのか無いのかわからない。それはともかくSが格好良いつもりで付けた新しい名前がプルクワであった。それはフランス語で「何故?」という意味らしい。何故プルクワに?何故なぜに?

そういえば「?」は猫のしっぽの形からきた記号であるはずだ。そうするとなるほど奥深い理由がありそうな気もする。

だがしかし、1ヶ月も経たないうちにわたしの名前は「ポンちゃん」に戻った。Sが言うには「呼びにくい」ということであった。わたしはこのときこの男、Sは信用してはいけない男だと確信した。腹立たしい板尾と信用のできないs。この二人の男との同居について、わたしの両親が知ったらどう思うのか知りたかった。

かくしてわたしは家猫になり、プルクワになり、ポンちゃんに戻った。
マンション暮らしが始まった。隣近所にタオルを携えて挨拶に行かなくてなるまい。「夜中に衝動的に走り回ることもありますが生理的なものですので了承願えないか」とひとこと添えて。これはもちろん冗談である。

いろいろと思うところもあったがまずしなくてはならない事がわたしにはあった。

出産である。


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