いまのうち
2011.11.13
かごのなか

今の家、は私にとって今の世話係に連れ去られて同居するようになってから4軒目だ。

一軒目は千葉の新浦安にあるマンションだった。ちょっと高い階だったし、海も近かったがマンション街にあったため、窓からの景色は味気ないといえば味気ないが、向かいにある数棟のマンションに見える、灯ったり消えたりする灯火がヒトの気配とか生活を示唆してくれていたので、殺風景というほどでもなかった。その家は2LDKの間取りで、私はひとつの部屋を除いて自由に行き来できた。入れない部屋は、玄関のすぐ横にあった六畳間で、世話係の友人の男が住んでいた。息子のカントが入ってギターか何かを倒したら、もう二度と入れてくれなくなった。でもたまに世話係のくねくねが、にししと笑いながらその友人の部屋に私たちを入れてくれた。でも入ってしまえば、興味も失せて、それほど長いがしたくなるような部屋でもなかった。その部屋は他の部屋にはしなかった匂いがした。

そのうちには一年くらい住んでいたのだろうか。いろんなひとがきて、いろんな人が住んでいった。くねくねだけが変わらずそこに住んでいた。

それから三度引っ越して、今のうちに至っている。

今のうちは世話係のくねくねのほかにおでこがいて、二人はほぼうちにいるので寂しくはないが、不意にしばらくいなくなる。その間、よく知らない人がうちに住んで世話をしてくれたり、ご飯やトイレ掃除をせわしなくしてくれるひとが瞬間来たりする。そういうときは少しだけ寂しい心持ちになる。

今のうちは日当たりが良い。そして温かい。が少し五月蝿い。車の音がいつもしている。しかしそれはあまり気にならない。十回くらい「かまえ」や「なでろ」と訴えれば、してもらえる。一緒に寝ると暖かい。たまに缶詰をだしてくれる。トイレは概ね綺麗だ。

今日、おでこが買ってきた雑誌にはいろんな猫が載っていた。その猫たちも私達と同じような生活を送っているのだろうか。写真で見る限り、みなそこそこ満ち足りているようではあったので、おそらくそうであるか、むしろもっと良い生活を送っているのかもしれない。

私にとってもっと良い生活というのは、もう少し撫でてくれて、もう少し遊んでくれて、もう少し、缶詰を食べられる、そういう生活だ。


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