_MG_0011.jpg


猫である。

昨晩はショッキングな出来事があった。平穏な夜。あたしと息子はタワーのペントハウスでくねくねが床につくのを待ちながらうたた寝をしていた。夜半のこと。静寂の紙袋をふくらませて割るような悲鳴が部屋にとどろく。くねくねが突然「ぎゃ!」と叫んだのだ。ゲームでもしていたのかと思ったが、彼はやおら立ち上げって部屋中を見回す。そして雑誌を丸めて手にもッて、片手でずっと携帯をいじっている。あたしには見えない、息子にも見えない、つまり誰にも見えない(かもしれない)敵と対峙しているような様子である。あたしはこれをテレビで観たことが在る。薬かアルコールでまいてしまったヒトの症状である。

とうとうこの日が来てしまったか。

あたしはくねくねにもし何かがあったら世話をしてくれると言っていた、以前の同居人、おでこに連絡が取れないものかどうか考え始めた。くねくねが狂ってしまう日、ザ・ジャッジメント・デイがきたのだ。俳優になったとか役者を目指している等の話はついぞ耳にしたことがない。だから演技練習でもない。見えない的に丸めた雑誌を振りかざそうとする冷や汗をかいたくねくねをあたしと息子はため息混じりで見守っていた。

すると何かが飛んだ。そして間髪いれずにまたくねくねが悲鳴をあげた。あたしも観た。何が飛ぶのを。ごめん、くねくね、見えない敵じゃなかったみたいね。さっそく次の飼い主のことを一瞬とは言え考えて悪かったと思った。しかし大して大きくもないなんだかしれないものに怯えるなんていったい敵はなんなのだろう。捜索を息子は依頼されていたが、「探すふりだけしてやった」と言っていた。息子もさして興味がない様子である。

やがれて疲れて寝始めたくねくねを見て、一緒に寝てやることにしたが、しかしあれだ。ほんとうに気が狂ったらどうしよう。そしてあの小さな敵な何者なのだろう。皆目検討がつかない。


しかしひっどい悲鳴だったな。



[ 2014.07.07 | 猫日記 | コメント: 0 | PageTop↑ ]