じゃんぷ
2014.05.19
_MG_9537.jpg

桃源郷という言葉を知ったのだが、夢のような場所でそこには行けそうで行けなく、行ったとしてもまた行くことが出来ないそんな不可思議なところのことを言うのだとか。

あたしの体力では、登ることの出来ない食べ物の匂いがいっぱいする場所、キッチン。そこに最近、マイ・脚立が置いてあることがある。ジャンプするにはちょっと遠い。でも肉の塊が昨日置いてあった。目には見えているのだが、届かない。見ることだけ許される。スパイスの香りが邪魔であるが、豚肉の甘い香りがたまらない。しかし、あたしは経験豊富な美猫。youtubeでもマヌケな猫のマヌケなジャンプを山のように見てきた。あたしは目測する。ネガティブ。結論はそうなった。届かない。前脚は届く。だが後ろ脚は届かない。くるりと後ろにひっくり返って、マイ・脚立にお尻をしこたま打つ。目に浮かぶ。かつおだしのきいた汁物みたいなものも目に入る。肉を一切れ食べては、かつおだしの汁を飲み、また肉を一切れ。悪くない。素晴らしき食の祭典。Aブロックでラジオヘッドを聴いてから、Bブロックでモリッシーを(ほんとは音楽にぜんぜん興味はない。たとえ。)。そんな魅惑のリピテーション。地球の自転や太陽の黒点の影響でいつのまにかキッチンと脚立の間隔が狭くなったりしないだろうか。綺麗な地震が起こって脚立がすーっとキッチンに近づいたりしないだろうか。そんな夢想にふけっていた。

すると息子が、華麗にジャンプして肉をくわえて、飛び降りて床の上をひきずっていった……。そしてくねくねにすごっく怒られた。

あたしは一歩も動けなかった。Cブロックは、ヴァン・ヘイレンで、オープニングには『ジャンプ』というオチになった。しかしやはりスパイスがきいていたみたいで息子的にはいまいちだったらしい。そんな肉が昨日からずっとベッドのうえに吊るされている。

儀式か?


[ 2014.05.19 | 猫日記 | コメント: 0 | PageTop↑ ]

秘密