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猫である。

どんなスイッチが入ったのか、ずいぶん昔に、「おでこ」という女のヒトがうちにいた頃だが、あたしがイライラしているとおでこから「更年期障害か」と言われたことがあった。初めて聞く言葉だったので「こうねんきしょうがいか」をどう分解したらよいか分からなかった。しばらくしてテレビから同じ言葉が聞こえてきて、見てようやく「更年期障害」ということを知った。猫のあたしがそれほど時間が経ってもその言葉の響きを覚えていたのは、なんだか侮辱されたように感じてムカついたからかもしれない。どうだろう。

調べてみたら、いろいろと大変そうである。ホルモンバランスがくずれて、いろいろ大変になってイライラするのだとか。ホルモン。食べるだけじゃないのね。子宮がもうないあたしにも更年期障害なんてあるのかしら。実際にあたしは最近情緒不安定である。ほてりとかはないんだけど、なんだろう、落ち着かない。理由もわからないまま戸惑うばかりである。くねくねに助けを求めても、あたし自身がどうして良いのか分からないのだから、彼に何ができよう。ただただ撫でたり、ブラシをかけてもらったりして、終わるがそれでもなぜか落ち着いてくる。

わけも分からずイライラしたり、感情が定まらない時、ヒトはどうしているのだろう。ドラマや映画をみているとだいたいバーに行って酒を飲んでいる。そしてお店のヒトか友人かだれかが優しい声をかけてくれる。ふらふらしながら帰って突破口を見つける。そんなパターンが多いかしら。あたしには行くバーがないし、酒は飲めない。ヨーグルトかミルクである。あとはシーバのレトロトのスープである。シーバのスープを飲みに出かけるなら、気分転換になるかもしれない。あたしが食後の口の周り掃除をしていると、さーっと皿に注がれたシーバのスープ(別の味のもの)が流されて滑ってきて、あたしのまえにぴたりと止まる。戸惑うあたしはバーテンニャーに目を向けると、彼は尻尾を立てながら近づき、
「あちらのお客さまからです」
と言って鼻を向ける。みると見ると向井理が座っている。そしてあたしに手をあげて挨拶して
「肌男です」
という。肌男?どういうことだろう。気がつけば、あたしは食欲と戸惑いと歓喜のなかにいて、さっきまでまとわりついて毛をざわざわさせていた落ち着きの無さがさっぱり消えていることに気づく……。

ええやん。ええやん。バー。猫のためのバー、どこぞに有りはしませんか?いっそそんな店を開いてみようか。


[ 2014.07.15 | 猫日記 | コメント: 0 | PageTop↑ ]

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