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母猫のポン・プルクワです。
息子のカントとヒトの「くねくね」と三にんで暮らしています。

今日はあたしのことを少しだけ語ることにする。
猫の記憶力は底が浅く、昔のことを語るのはとてもむずかしい。なので自分が書いてきたものを読み返したりして自分史を再構築する必要があった。長々と語るのはしんどいので少しずつ語ることにする。そうしている間にも再構築した記憶すら薄れるので、まあのんびり挑んでみる。

あたしは、一度ヒトに捨てられた。そのヒトたちがどんなヒトたちだったのか正直ぜんぜん思い出せない。あたしが妊娠したとたんに気がつけば、千葉の新浦安駅というところで捨てられていた。最初のヒトたちと一緒にいたところから離れていたからか、うちに戻ることもできなかった。あたしは妊娠していたこともあり心細く、駅周辺のヒトと車の多い環境にはまったく馴染めず、不安で怖くて自由闊達に動きまわることもできず狭いエリアで隠れたり、ちょっと開けたところに出たりを繰り返していた。ときどきヒトが寄ってきてなでてくれたが、食べ物はなかなかくれなかった。またあたしは妊娠などしたことがなかったので、正直自分の体調の変化が、妊娠であったこともしったのは子供を産んでからだった。不安だが、自立することもままならず、かといってヒトに甘えることもうまくできなかった。大きな音がいっぱいする場所で、水や食べ物をちょこちょこ食べては隠れてときどき出ては、ヒトが優しくしてくれることをあわく期待しつつも、不安と恐怖もあってずいぶんしんどかった記憶はうっすらと残っている。

雨など降ると不安や恐怖は二回りほど増した。風の音、濡れる毛、震えても寄り添う体温のあるものなどなく、小さく茂る木の下に隠れて雨がやむのをじっとまって過ごしていた。少しずつ慣れていったが、怖くてテリトリーを広げる余裕はなかなか生まれなかった。

そんなときにくねくねが現れた。あたしと目があった時に瞳孔が広がったのは覚えている。夜だった。しばらくあたしと一緒にいたかと思うと、もう一人ヒトが加わった。女のヒトだった。その女のヒトとくねくねがあたしの側にしばらくのあいだいて何やらもごもご喋ってはむやみに触ることなく、側に居続けて、しまいになにか熱くてぴりっとする食べ物を与えてくれた。後でそれはたこ焼きだとしった。あたしはちょっと嬉しかったが、やがてその二人は去ってしまった。

翌日になると朝からものすごい雨が降り、木を折るほどの風が吹き始めた。白くて軽い箱がくるまみちに転がって遠くまで飛ばされていく光景もみた。降る雨がくるまみちにときおり波のような模様を広げていた。くるまが水をびちびちという音共にあたしの隠れていた木よりも高い位置まで跳ね上げていた。あたしは固まって木の根元から微塵も動かないでずっとじっとして過ごしていた。夕方ごろにあって、ようやく風と雨が弱まった。くるまみちには折れた木の枝や箱が散乱していた。草もどうろもすべて濡れたままだったが、あたしはお腹がすいたので、外にでて少し歩いて、食べ物がないか探していた。何人かのヒトが側によってあたしをなでてくれた。でも食べ物はだれもくれなかった。

そうしているうちに空が暗くなったころ、またくねくねがあたしの前に現れた。そしてあたしの側から少しも離れないでいた。しばらくすると昨日と同じ女のヒトも現れてくねくねの隣にしゃがんで、あたしに話しかけてきた。彼女があたしを「ポンちゃん」と呼んだ。そのときから、あたしは「ポンちゃん」になった。



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あたしのツイッター: @ponyan01
あたしと息子のグッズのお店:Ponne & Kant Pourquoi Store
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[ 2014.09.08 | 猫日記 | コメント: 0 | PageTop↑ ]

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