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あっつ! 猫です。 あっつ! 家事か?! 隣で家事か? 世紀末か? 蝋人形か? 溶けるでしょ? した片っ端から溶けるでしょ? 蝋人形? って想像しただけで、あっつ! 猫の あっつ! ポン あっつ! ・プルクワです。

暑いときには、怖い話をするものなのでしょう? 風と桶屋以上に関係がわたしにはよくわからないものの倣ってみたい。怖い話。うちのクローゼットには縦長のオレンジ色の機械がしまわれている。週に二、三度をそれはおごそかにクローゼットのなかから出される。それには長い紐が幾重にもぐるぐるとまかれている。まるで手を付けられない獣の動きを封じる鎖のように。それが、ヒトの手によってひとつひとつと呪縛を解くようにほどかれていく。その気配は、どれけ深い眠りについていようと、ウガンダの大統領の初めて猫として私が当選した夢を見ていようとも、わたしたちをハッとさせる。まがまがしい気を放っているからである。喉が乾いて仕方のないドラキュラのような飢えが根底にあるまがまがしさである。何一つものを言わぬが、それは今のうちだけである。

紐が解かれ、そえを壁に刺すという儀式をへた後、死刑執行人のような呪われた役割をこなすヒト(くねくね)によって、機械に取り付けられた、生き血を固めたような赤い部分を押した途端に、その吸血鬼は恐ろしい咆哮を放つ。床が振動し、壁は悲鳴をあげる。窓ガラスはぴしぴしと断末を上げ始め、床じゅうにあった埃や砂(わたしたちのトイレの砂)は、問答無用にその吸血鬼に吸われ尽くす。この世のものとも思えぬその咆哮は、私たちの鼓膜を突き破り、脳を鷲掴みにして、欲張りな現金つかみ取りに当選したおばさんみたいにひっかきまわして、耳から取り出そうとする。「無理だから!」というアドバイスなど全く聞かずに、取り出そうとする。それくらいに執拗にして恐ろしい咆哮である。

やがて、部屋中にあった時が少しずつその存在を増やし、育んできた埃と砂を奪い尽くすと機械の咆哮が止む。わたしと息子の寿命は、通販のビフォーアフター以上に目に見えて減ってしまっている。あと5秒で死ぬかも? というタイミングで機械はまた縛られてしまわれる。紐が壁に刺されていない間はまったく動かないことを知っているから、わたしたちはしまわれて以降は怯えないですむ。

書いていて、わたしは恐怖のあまり、毛がだいぶ抜けおちた。暑いせいかもしれないが。

いかがだっただろう。慣習に倣ったとはいえ、唐突にこのような恐ろしい話をしてしまったことを本当に申し訳なく思う。

ポン・プルクワ


[ 2013.07.18 | 猫日記 | コメント: 2 | PageTop↑ ]

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