
親子揃って猫です。
あたしたちの世界は知り得る範囲で完結しているのだそうだ。インドア派なあたしたちだから、インドア、つまりうちのなかが世界だ。うちのなかには、(あ! きのう来たヒト客が缶詰もってきてくれた。お土産! 高まった。ありにゃん、背の高いヒト)、()のなかで書いたようにヒトの客がいつも来て帰る。外から入ってくるヒトは、外の匂いがする。くねくねもそうだ。うちのなかでも朝には窓が全部あく。するとぶわっと外の匂いと音が入ってくる。足音とか冷たい温度とか花の匂いとかいろいろ。音がするとときどき気になるから、みるとヒトが歩いている。
どこにいくんだろう。
あたしはかつてアウトドアであったことがあったらしいが、ほとんど覚えてはいない。覚えていないながら、無限に広がる世界ではなかった。いわゆる縄張りといわれると、あたし的には縄張りというよりは、これより先には怖くて行きたくないなぁという境界線がいくつかあった、という感覚だった気がする。
ヒトはそんなものもなく、電車や車にのってどこまで行く。
うちのなかのほうが暖かいし、ふかふかだし、ご飯もあるし、遊んでもらったり、撫でてもらったりするのに。
みんなそとにどうしていくのかしら。
美味しいものでもあるのかしら。
歩いているヒトをみるのは、楽しいけれど。